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2005年総選挙各党科学技術政策マニフェスト評価集

  私たちNPO法人サイエンス・コミュニケーションは、前回第43回総選挙において、主要政党のマニフェスト、選挙公約から科学技術政策に関する部分をピックアップし評価した。

2003年総選挙マニフェスト評価集

 9月11日(日)投票予定の第44回総選挙においても、各党のマニフェスト、選挙公約から科学技術政策に関する政策を評価したい。

 以下では、各党の政策を「重点分野・第三期科学技術基本計画に対する姿勢」「科学技術振興に対する施策」「若手研究者、女性研究者に関する政策」「奨学金」「理科教育」「大学政策」「知的財産」「その他注目すべき施策」の8項目に分類し、ご紹介する。政策が一部オーバーラップする部分もあるが、ご容赦いただきたい。

 なお、医療、原子力・エネルギー、環境政策については基本的に評価の対象外とした。また、国民新党、新党日本については、科学技術政策を発表していないので、割愛させていただいた。

 おことわり
 今回のマニフェスト評価は、あくまでマニフェストの記述のみを評価の対象とさせていただきました。たとえば、社民党は「社民党総合政策ガイド2005」にて、科学政策に詳しく触れていますが、選挙の公約を比較する観点から、「社民党総選挙公約2005」のほうを評価の対象とさせていただきました。ご了承ください。

サイコムジャパン科学政策部

リンク
当ページをご紹介くださったページや他の科学技術政策マニフェスト比較などをご紹介させていただきます。当サイトはブログではないので、トラックバックなどできません。お手数ですが、リンク希望の方はoffice@scicom.jpまでご一報ください。


     - 目次 -

◆各党のマニフェスト比較表

◆マニフェスト評価


注)サイコムジャパンは政治的には中立であり、NPO法に基づき、このマニフェスト比較において、特定の政党を支援するという意図も、特定の候補者を応援するという意図もありません。科学技術研究政策に関心のある有権者が、マニフェストを比較する際の道標を提供するというのが、本企画の目的です。
ご意見、ご要望はoffice@scicom.jpまでお寄せください。

各党科学技術政策マニフェスト
政策 自民党
公明党
民主党
共産党
社民党
重点分野・第三期科学技術基本計画に対する姿勢  科学技術創造立国」の実現に向けた研究開発促進と生産性の向上:技術戦略マップを活用し、政策目標の実現シナリオの産学官での共有を図ること等により、効果的な研究開発を促進する。生産性・競争力向上のため、研究開発・IT投資等を重点的に推進するとともに、減価償却制度の見直しを検討します。

 新産業創造戦略の重点7分野の施策の強化:「新産業創造戦略2005」において具体化された戦略7分野(燃料電池、情報家電、ロボット、コンテンツ、健康・福祉・機器・サービス、環境・エネルギー・機器・サービス、ビジネス支援サービス)に関する施策の更なる具体化を図ります。

 情報産業の振興及び産業の情報武装の強化による競争力の強化:2005年までに世界最先端のIT国家になる目標を確実に実現するとともに、2006年以降も世界最先端のIT国家であり続けるために、情報通信分野における技術開発、競争力強化につながるIT化を促進します。

 資源に乏しい我が国にとって、繁栄の原動力たる科学技術への投資は極めて重要です。そのため、第3期科学技術基本計画において研究開発投資の確保(例えば対GD P1%)の確保を目指します。また重点四分野に加えて、国際競争力の急速な回復を要する分野としてスーパーコンピュータ、宇宙輸送システムなど「国家基幹技術プロジェクト」として推進します。

 ITER計画等の核融合研究開発の推進:核融合エネルギーは、[1]海水中に存在するほぼ無限の燃料、[2]安全対策が比較的容易、[3]二酸化炭素の発生が少なく、放射性廃棄物も低レベルのものしか発生しない等の特長を持ち、実現すれば世界のエネルギー問題を一挙に解決できる可能性を有しています。わが党としては、現在国際協力で進められているITER計画を始め、人類究極のエネルギー源である核融合エネルギーの実用化に向けて、核融合研究開発を推進します。

 環境、バイオ、情報通信、ナノテクなどの重点戦略分野への重点投資を行います。特に、ロボット、燃料電池など、近い将来に実用化が見込まれ、人々の暮らしをより良くすることが期待できる研究開発に対して、大規模かつ先行的に集中投資します。
 競争力強化・技術力強化に向けて知的財産立国をめざします。また、今後の成長が期待される生命科学分野、情報通信技術、ナノテクノロジー関連技術、環境・エネルギー技術など先端技術分野に集中して支援を行う戦略的な科学技術政策を推進します。
 経済効率優先の科学・技術政策を転換する:基礎研究への支援を強め、学術の調和のとれた発展をはかる……人文・社会科学の役割の重視をはじめ基礎研究への支援を抜本的に強め、学術の調和のとれた発展をはかります。経済効率を基準にした特定分野偏重の科学・技術政策を転換し、総合的な学術振興計画を確立します。科学・技術の軍事利用に反対します。
総合政策ガイドより
人間と環境優先の「未来への歳出」へ
「しがらみと惰性の歳出」を「未来への歳出」(投資)へと大胆に切り替えます。とりわけ、雇用安定や子育て・介護などの社会サービス、“宝の山”となるべき教育・科学研究や環境保全などに、財政ベクトルを集中します。
科学技術振興に対する施策 研究開発 ―世界最先端の技術を創る―
ア)研究開発に係る十分な政府投資規模の数値目標を設定します。
イ)総合科学技術会議主導で国家プロジェクトを立案・遂行します。
ウ)競争的資金の審査体制を抜本的に強化します。
エ)産学連携の本格的な共同研究を推進します。

 頭脳流入の円滑化にための環境整備を行います。

 ITインフラ整備・利活用促進と次世代IT領域での優位性確立を図ります。

 世界最高水準を目指した基礎研究の充実:基礎研究は、科学の発展とイノベーションの創出の源泉であり、国立大学運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成などの大学の基盤的研究経費をしっかり確保し、科学研究費補助金などの競争的資金を拡充するなど、多様性を確保して基礎研究を強力に推進し、世界最高の科学水準を目指します。

 イノベーションの創出:世界大競争の下で日本の競争力を持続的に確保していくためには、知の創造から活用までを切れ目なく支援し、わが国オリジナルの研究成果を社会的・経済的な価値の創造へしっかりつなげ、優れたイノベーションの創出を図ってまいります。

 科学技術活動の基盤を整備・充実する:世界一流の人材を育て、惹きつけることを目指し、科学技術活動の基盤となる教育・研究施設について整備・充実します。民間企業の研究開発投資を促進する観点から、平成15年度に抜本的に拡充された研究開発促進税制を引き続き検討します。

 沖縄の観光・情報通信・農業等の産業振興を図るとともに、世界最高水準の沖縄科学技術大学院大学構想を実現し、夢と活力に溢れた自立できる沖縄を創造します。

科学技術駆動型の地域経済活性化の推進:地域産業活性化や産業構造改革に直結した研究開発を進めるとともに、知的クラスターと産業クラスターの拡充強化、地域における公的研究機関の活用などを推進します。

 燃料電池、情報家電、コンテンツなど戦略的に重要な新産業分野を育成・強化するため「新産業創造戦略」を推進するとともに、産業界における人材の育成、知的財産保護、研究開発などに重点的に取り組みます。
 科学技術政策を戦略的に推進する体制を整え、次世代の競争力を確保します。今後、医療を含む生命科学分野、情報通信技術、ナノテクノロジー(超微細技術)関連技術、環境・エネルギー技術などが世界の経済・産業競争の主要分野となることは確実です。次世代の産業競争力確保の観点から、これら先端技術分野における研究者・技術者の質的・量的不足を一刻も早く解消するとともに、課題とされる倫理規制の整備などを含む技術開発施策を戦略的に推進します。その際には、国民生活の維持向上・安全確保、産業競争力強化、基礎研究の推進、地球環境対策、などの長期的観点から研究テーマを選定し、国家予算を集中的に投入します。
 科学技術基本計画を政府がトップダウンで決めるやり方をあらため、科学者の代表機関である日本学術会議の意見を尊重するなど、研究者、国民本位の立場で策定するようにします。

 研究者の自主性を尊重し、自由な研究環境をつくる……国公立の大学・研究機関の独立行政法人化を見直すとともに、研究者に対して任期制でない安定した身分保障制度を確立します。研究者の自由な発想にもとづく研究への助成や大学・研究機関の経常的研究費を大幅に増額します。


若手研究者、女性研究者に関する政策 教育・人材育成 ―世界一の人材を育てる―
ア)基礎学力の充実、教員の質の向上を図ります。
イ)研究・企画・経営の能力を身につけた「強いドクター」を育成します。
ウ)小学校から大学・大学院まで、教育における産学連携を推進します。
エ)企業における人材育成・確保、技術系人材の処遇改善を促進します。

優秀な海外人材の活用:海外からの研究者・留学生の受入のための在留資格要件の緩和等の環境整備、外国人研修・技能実習制度の見直しを行います。


 アジア諸国からの留学生受け入れを増やすなど、未来志向で建設的な外交関係をつくりあげます。
大学院生やポストドクターの急増にみあった若手研究者への支援を強める……大学や研究機関での教員・研究員の増員をはかり、非常勤講師の処遇を抜本的に改善します。大学院生に対する無利子奨学金の拡充と返還免除枠の拡大、給費制奨学金の導入をすすめます。 女性研究者への昇進差別やセクハラをなくし、出産・育児との両立など研究者としての能力を十分に発揮できる環境をつくります。
奨学金  奨学制度の拡充による学生支援:学生の自立を促し、意欲と能力ある者が経済的理由によって勉学の機会を失わないよう、18歳以上の奨学金希望者全員への貸与を引き続き目指し、奨学金の抜本的な充実に努めることにより学生支援を進めます。
 特に、親の失職や倒産等により家計が急変し、緊急に奨学金が必要となった者に対する緊急採用奨学金制度により、経済的理由で学業を断念することのないようにします。
 学生全員に奨学金を貸与奨学金制度を拡充し、すべての学生が奨学金を借りられる制度を構築します。そのために、現在の奨学金制度について、各大学ごとの採用枠を撤廃し、1次募集の段階ですべての学生に奨学金が貸与できるようにします。
 海外留学を希望する学生への奨学金について、派遣1万人計画等を策定し、抜本的に拡充します。

 希望者全員奨学金制度を実現します。
 保護者の経済状況が悪化し、途中退学を余儀なくされる学生・生徒が増加していることを踏まえるとともに、学生・生徒の社会的自立と自覚を促すため、希望者全員への奨学金貸与を可能にします。あわせて、貸与額を50%引き上げます(例えば自宅外私大生の場合、現行6万4000円を9万6000円へ)。保護者の所得要件の撤廃などの条件緩和も行います(所要額600億円)。
 また、現在、国際人権規約批准国約150カ国中、日本を含む3カ国のみが留保している「高等教育無償化条項」を批准します。就学継続が困難な生徒に対して、授業料減免措置を行う高校への財政支援を拡充します。

 国際人権規約は「高等教育の漸進的な無償化」をうたい、ドイツやフランスでは学費は基本的に無償です。奨学金制度でも、欧米は返済不要な給付制を柱にすえています。

 ところが日本では、初年度納付金(入学金・授業料など)が国公立大学で80万円、私立大学では平均130万円をこえました。公的奨学金も返済が必要な貸与制しかありません。「お金がなくて進学をあきらめた」という声が出るほど、“教育の機会均等”がふみにじられています。

 この原因は、大学予算の水準が、欧米の半分以下とあまりに低いことにあります。05年度予算でも、国立大運営費交付金が98億円削減され、授業料標準額は1万5千円も値上げされました。私立大学の経常費にたいする国の助成金の割合も、1980年の29・5%をピークに現在12%前後にまで落ち込んでいます。

 「高等教育の漸進的無償化」条項を批准していない国は、条約加盟151カ国のうち、日本、マダガスカル、ルワンダの三ヶ国だけです。国連人権委員会は、日本政府に同条項の批准を勧告しました。来年の六月が回答期限であり、日本の対応が問われています。

 日本共産党は、「高等教育の漸進的無償化」条項の保留を撤回させ、学費負担の軽減をめざします。当面、国立大運営費交付金をふやして国立大学費の引き下げや学費減免制度の拡充、私立大学生への学費助成や私立大学の学費減免への特別助成制度の創設などにより私立大学生の負担軽減、希望者全員にたいする無利子奨学金支給、給付制奨学金の導入をめざします。

大学院生に対する無利子奨学金の拡充と返還免除枠の拡大、給費制奨学金の導入をすすめます。
ヨーロッパでは、少人数学級が当たり前、学費も幼稚園から大学まで無料の国が多いのにくらべ、日本では「40人学級」、多額な父母負担など教育条件が劣悪です。その改善のために全力をつくします。

 奨学金・育英制度を拡充するとともに、私学助成を充実します。

 総合政策ガイドより
高等教育の無償化に向け、国際人権規約(社会権13条)の留保を撤回します
国際人権規約(社会権)第13条は、高等教育について「無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとする」ことを定めています。日本はこの高等教育無償化条項を「留保」していますが、これは同規約締約国151ヵ国(05年4月現在)中、日本、マダガスカル、ルワンダの3国のみであり、日本も早期に留保の撤回を表明し、無償化を目指します。

高等教育の質の充実のためにGDP1%水準の達成を目指します
例えばアメリカの高等教育への財政支出はGDP0・9%程度であるのに対して、日本は0・5%にすぎません。高等教育の基礎研究の立ち遅れを改善するため、当面GDP1%水準の達成を目指します。)

多様な教育を育むため私学助成の拡充強化に努めます
私立学校と公立学校は、公教育を担う車の両輪です。しかし、両者の教育条件にはいぜん容認しがたい格差が存在し、格差の是正を急がなくてはなりません。長びく不況の中で私学に通う子を持つ保護者の経済的負担も限界に来ており、私学助成制度の拡充強化を行ないます。 @授業料減免制度の抜本拡充
A30人以下学級実現のための補助
Bバリアフリー化のための特別助成
C私大等の教育・研究の充実へ経常経費に対する2分の1助成

機会均等を保障できる奨学金・育英制度を充実させます。
奨学金制度の抜本的な充実は、教育の機会均等を保障するための不可欠の前提です。
奨学金・育英制度を充実させます。無利子奨学金の拡充を図るとともに、選考基準については経済的条件のみとする改善も行います。同時に、返還義務のない給費奨学金制度、国が債務保証をする学費・生活費の無利子ローン制度を創設します。また、アジアを中心に留学生30万人の奨学制度を設立します。

理科教育  わが国の国力を発展させるための科学技術関係人材の養成・確保:わが国唯一の資源である「人」の力を向上させ、世界に勝てる人材を育成・確保するため、初中教育における理数系の基礎学力向上、大学院の教育研究の抜本的強化、ものづくり人材の育成等を進めます。

 未来の人材を育成するため、初等教育において科学や理数分野に理解の深い教員を増やすなど理数系教育環境の改善や、大学入試改革を行います。


大学政策  企業活動を支える「人材の育成」:ものづくり・サービス分野等の専門職大学院の設置促進等による高度人材育成プログラムの充実や産業界のニーズに応じた教育実施のための大学評価手法の開発等を行う。高専等を核とした人材育成システムの構築、若者の活用や少子化対策等を講じて魅力を高めた事例の紹介等により、中小企業における人材育成・確保を図ります。ジョブカフェ、キャリア教育等の一層の推進を図ります。

個性輝く大学づくりの推進:「知の創造と承継の拠点」である大学・大学院の教育研究機能の向上や国際競争力の強化を図り、わが国の知的基盤を充実します。国公私立大学を通じた競争的環境の中で個性輝く大学づくりを目指すとともに、国立大学の法人化等により進みつつある各大学の改革を確実に支えていきます。このため、多元的できめ細やかな財政支援システムの構築を目指します。また、創造的な研究人材を育成する世界最高水準の大学院や法科大学院など高度専門職業人を育成する大学院の支援を強力に進めます。

地域のひとづくり、知恵の集積・活用の中核として、地域に貢献する活動を行う大学等への支援を充実し、地域の知の拠点の再生を図ります。

 中小企業のベテランの技能・技術を若手技術者が継承しやすくするために、技能・技術を教育プログラムとして体系化を行い、大学等の教育機関で100講座を開設し若手人材を育成します。

 大学予算を大幅にふやし、学費負担の軽減、教育研究条件の抜本的整備をはかる……欧米諸国の半分に満たない高等教育予算を大幅に増額し、国立大学の狭く老朽な施設の改善をはじめ、大学の教育研究条件を抜本的に整備します。国会で決議されている、私立大学の経常費2分の1国庫補助を実現します。私学助成のあり方として、「ひも付き」ではない一般補助を充実させます。  すべての国民に高等教育の機会を保障するため、国際人権規約(社会権規約)の「高等教育の漸進的な無償化」条項(13条2項C)の留保を撤回し、国民の学費負担の軽減をめざします。  国公立大学の法人化を契機にした予算の一律削減を中止し、運営費交付金の増額をすすめ、学費の引き下げと教育研究の基盤的経費の充実をはかります。私立大学生への学費助成や私立大学の学費減免への特別助成制度をつくります。  大学への国家統制をやめ、「大学の自治」を尊重する……「大学の自治」を尊重するルールを確立します。財政支出を利用した大学統制のしくみをやめ、独立した大学財政配分機関を創設します。すべての大学に義務づけられた大学評価は、国の関与をやめ、学者・専門家を中心にした自主的な機関による評価を基本にすべきです。大学と企業との共同にあたっては、大学の自主性と研究成果の公開を原則とするルールを確立します。

知的財産  経営基盤強化に対する支援、取引慣行の改善等:産学連携による人材育成の強化、技能・ノウハウのデータベース化や事業承継ファンドの創設等を通じ、中小企業の経営基盤の強化や優れた技術・事業の継承を支援する。中小企業の技術を客観的に評価するための公設試等の活用、知的財産権保護の強化、取引慣行の改善等を図ります。

 「擦り合わせ力」の強化に繋がる研究開発の促進等:高度部材産業側からのイノベーションの促進を目指し、ユーザー等との連携による研究開発の支援、地域集積の促進、効果的な擦り合わせを促すガイドラインの整備を行います。

「知的財産立国」の実現
[1] アジアにおけるわが国製品の偽物被害に対応するため、FTAやODAを活用して、侵害国政府に強力に働きかけます。
[2] 映画やアニメなどのコンテンツを育成するため、高等教育機関へのコンテンツ学科設置促進、放送コンテンツ流通における取引慣行の是正、東京国際映画祭の拡充を行います。
[3] 大学等が保有する特許の効果的な活用を図るため、技術移転機関や大学の知的財産本部の機能を高めるとともに、すべての法科大学院に知的財産に関する講座設置を促します。

(2)知的財産推進施策
[1] 模倣品・海賊版対策の抜本的強化
ア)模倣品・海賊版の輸出・通過の禁止や犯罪収益の没収を核とする拡散防止条約を提唱し、実現を目指します。
イ)インターネットオークションを通じた模倣品・海賊版の被害を防止するため、特定商取引法の運用を強化し、業界の自主規制ルールを整備します。
[2] 世界をリードする知財制度の構築
ア)世界特許の実現に向け、米、欧特許庁と重複的なサーチ(従来技術文献調査)を行わずに特許審査を進めるシステムを構築します。
イ)特許出願による技術の海外流出問題が深刻化しており、自己の技術を防衛する制度を整備します。
[3] 中小・ベンチャー企業を支援
ア)中小・ベンチャー企業の知的財産を守ります。
○弁護士、弁理士の情報提供・相談を強化
○産業界による中小・ベンチャー企業の知財を尊重する知財憲章の策定の促進
○企業による知財侵害から中小・ベンチャー企業を守るための「知財駆け込み寺」を整備
○地域の知的財産戦略を支援
[4] 官民による戦略的な国際標準化活動
ア)国際標準化に不可欠な特許技術の共同利用について、独禁法上の扱いを明確化し、特許技術の共同利用を促進します。

知財人材育成の総合戦略の推進
ア)知財に強い弁護士や国際性を備えた弁理士の育成、法科大学院における知財教育を推進します。
イ)知財人材の質の向上を図り、10年で人材を倍増します。
○多彩なスキルを持ち国際的に通用する知的人材を、10年間で倍増
○技術に強い法曹人材を育成
ウ)理系人材の知財分野への参入を支援します。
[7] 産学官連携の加速化
ア)研究における特許技術の使用を円滑化します。
イ)産学官連携の体制やルールを整備します。
ウ)産学官連携の契約を弾力化します。

本格的な産学官連携の実現:国際競争力を強化するために、産学官が研究課題設定の段階から共同研究を進めるとともに、大学院生の企業研修等人材交流の活発化、大学の教育研究や公的研究機関の研究開発と企業ニーズのミスマッチの解消、守秘義務に対する大学側の認識強化、産学官連携に対する研究者の意識啓発など大学・公的研究機関等と企業の相互理解を深め、パートナーシップに基づく本格的な連携を促進します。

知的財産戦略の継続強化:知財立国を確立するため、創設された知財高裁の活用、世界最高水準の迅速・的確性をもつ特許審査の実現、模倣品・海賊版拡散防止条約の締結などにより、知的財産の保護・活用の環境整備をさらに推進するとともに、コンテンツを生かした文化創造立国への取り組みを強化する。


 競争力強化・技術力強化に向けて、知的財産権立国をめざします。国際競争力の強化、科学技術振興を図るために、知的財産権強化に取り組みます。「知的財産基本法」をさらに具体化し、中小企業・ベンチャー企業に対する支援強化、知的財産紛争処理能力の強化、知的財産権に関する専門家の育成、地域をはじめとする産学の連携強化、研究開発予算の配分見直し、研究者の意欲向上につながる環境の改善、TLO(技術移転機関)の充実、模倣品対策や特許権侵害対策の強化をすすめます。文化・芸術における知的財産政策をすすめます。

 文化・芸術における知的財産政策をすすめます。公正使用(フェア・ユース)規定を創設し、創作者(アーティスト・クリエイター)と、将来の創作者を含む著作物利用者(消費者、エンドユーザー)のための知的財産政策を実施します。国会図書館などによるデジタル・アーカイブ事業を本格化します。

発明などにおける研究者の権利を守ります。

その他注目すべき施策  感染症・疾病対策の推進(新興・再興感染症、難病対策):近年、SARSがアジアを中心に発生し、また、高病原性鳥インフルエンザを契機とする新型インフルエンザの発生が懸念される中で、新興・再興感染症への対策が重要となっています。こうした感染症の発生及びまん延を防止するため、病原性微生物等に関する適正な管理体制の確立、最新の知見に基づいた医療を提供できる体制の整備など感染症対策の一層の充実・強化を図ります。

 食品安全対策:食品は人々の生活において重要な位置を占めており、食品の安全に対する国民の関心はますます高まっております。このような国民の要請に応えるため、残留農薬等の規制を強化するとともに、輸入食品の監視指導を強化することにより、食品の安全に万全を期し、国民の信頼確保を図ります。また、BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザなどの食の安全・安心を揺るがす問題への適切な対応や、生産・加工・流 通等の各段階で食品とその情報が追跡・遡及できるトレーサビリティ・システムの導入促進、食品表示の充実・適正化等を一層推進します。


 消費者の食に対する不安を解消します。BSEや鳥インフルエンザの発生、残留農薬問題、食品の偽装表示事件など消費者の食に対する不安を解消し、食に対する安全・安心を確保するため、内閣府・農林水産省・厚生労働省にまたがっている食品安全行政を一体化します。また、地産地消・旬産旬消を推進するとともに、加工食品への原料産地表示の導入、輸入検疫体制の大幅な強化、主要な食料輸出国に輸入国の立場から調査を行う国際食品調査官を配置することなどを実施し、食の安全・安心の確保に努めます。
BSEの全頭検査を維持し、食の安全を確保するためのチェック体制を強化する
 ブッシュ政権は、「アメリカの牛は安全だ」として、日本に全頭検査の中止と牛肉輸入の早期再開を迫っていますが、アメリカ生まれのBSE感染牛の発生で、「安全だ」と言うアメリカの主張は根拠を失いました。アメリカでのBSE検査は食肉処理される牛の1%未満にすぎず、検査方法も不十分で、現場を知る元検査官からはBSEが広がっている危険性を指摘されています。牛肉輸入では、アメリカ産を初め輸入牛の全頭検査、危険部位である脊髄など神経組織の完全な除去、トレーサビリティ(生産・流通の経歴が追跡できる仕組み)が不可欠です。BSEの病原体の発見でノーベル賞を受賞したプルシナー米カリフォルニア大教授も「日本が行っているような全頭検査のみが、牛肉の安全性を確保し、消費者の信頼を回復する」と発言しています。危険部位を含む製品の輸入は基本的に禁止すべきです。

 膨大な輸入食品のうち、港や空港で安全検査をされるのは7%にすぎません。輸入農産物のチェック体制の強化と原産国表示の徹底を図ります。遺伝子組み換え食品の承認検査を厳密にし、遺伝・慢性毒性、環境への影響に関する厳格な調査・検証を義務づけます。

食品の安全を守ります
[1]環境基準や食品安全基準などの各種基準値等を大人をベースにしたものから、子どもの特徴を考慮したリスク評価と基準に変えます。
[2]食料自給率を当面50%にまで高めるとともに食糧の安定供給に向け、直接所得補償制度を創設します。株式会社の農業参入には反対します。
[3]有機・減農薬農業を推進するとともに、遺伝子組み換え作物の輸入を規制します。牛肉輸入再開には日本と同等の安全対策の実施を要求します。
[4]国際的資源乱獲に歯止めをかけ、水産資源を回復し、水産業の振興を図ります。
[5]いのちの水の商品化を許さず、安心・安全な水を提供するため、「水基本法」を制定します。

総合政策ガイドより
高度先端医療の拡充で難病の治療法確立へ
高度先端医療を拡充し、ゲノム技術等を用いた画期的な治療技術や医薬品、医療機器 の研究開発・普及への圧倒的に少ない予算を増額し、基盤を整備します。

総合政策ガイドより
BSE(牛海綿状脳症)対策、インフルエンザ対策を徹底します
(1)国内では、現在20頭のBSE感染牛が確認されています。BSE対策については、食の安全・安心を基本に、消費者や生産者などから信頼が高い全頭検査は維持し、危険部位の除去の徹底、BSEの科学的解明、牛肉消費への不安解消と安定供給、輸入飼料のチェックを進めます。さらに、輸入牛肉のリスク評価やトレーサビリティ制度(出生情報等の個体識別記録)等の確立を目指します。
米国産牛肉の輸入再開を求める圧力が高まる中、食品安全委員会は20ヵ月齢以下の米国産牛肉のリスク評価を検討していますが、米国のBSE対策は、日本と比べて検査頭数も少なく、甘い飼料規制やずさんな検査体制、肉質による月齢判別方法など、安全性の担保には不十分です。国民に安全な食を供給する政府の責務として、日本と同等の検査体制をするよう強く求めていきます。
(2)高病原性鳥インフルエンザが西日本や東日本で発生し、全国に不安が広まっています。社民党は「鳥インフルエンザ対策本部」を設置し、以下の対策を政府に徹底させます。 @発生した農家・養鶏場からの迅速な連絡体制の確立
C汚染の除去、感染源・経路の早期究明
D自治体間の連携、自治体と養鶏業者の連携の徹底
E消費者・流通・小売業者、地域住民との連携の徹底
F養鶏場の事前調査、野鳥の調査など早期発見の努力
G処分した鶏で周辺の土壌や水質が汚染されることのないよう消費者や地域住民が納得する処分方法の確立
H風評被害対策
I発生養鶏農家および周辺養鶏農家に対する補償
H養鶏場に働く人々や周辺住民の健康問題等。


マニフェスト評価

もっと論戦を 榎木英介

 主要政党のマニフェストから科学技術政策を抽出する作業をし、表を作った。それなりに楽しい作業であった。郵政年金その他いろいろな論点がある中、各党は忘れずに?マニフェストで科学技術政策にも触れているからである。まずはとにもかくにも、各党の科学技術政策を概観しよう。

【自由民主党】
 さすが政権与党だけあり、現政権の科学技術政策をマニフェストに書けるところは強い。それゆえ、どこの党よりも詳細な政策を打ち立てている。

 まず重点分野であるが、ライフ(なぜか自民党は生命科学をバイオとは言わずライフという)、ナノテク、IT、環境への重点政策は継続するようである。そのほかロボット、スーパーコンピュータも重視するようだ。

 そのほか、産学連携の強化、経営力を身につけた「強いドクター」の養成、技術に強い法曹人材の育成など、知的財産に関する政策が目を引く。

 これらの政策には、産業の国際競争力強化のためという明確な目標がある。トップダウンで目標を定め、集中投資し、そこから産業をスピンアウトさせる…

 もちろん、基礎研究の強化に関しても触れており、科学技術活動の基盤となる教育・研究施設の拡充、科研費の強化も盛り込まれている。ただ、「総合科学技術会議主導で国家プロジェクトを立案・遂行します」と言明しているように、マニフェストを読む限り、研究者の主体性がどこまで尊重されるのか気にかかる。

【公明党】
 連立与党の一角をになう公明党であるが、科学技術政策に関しては、自民党に任せているようである。記述は薄い。目を引く政策は海外留学派遣計画を策定することや、大学で中小企業の技術伝承を行う講座を解説することである。前者は一万人派遣、後者は100講座と数値が明確に書かれている。政権を担い続けるならば、達成度を評価されるだろう。

【民主党】
 「二大政党制」の一角を自任する党であるが、科学技術政策に関しては、独自性は少ない。「長期的視野」で重点投資するとは述べているが、重点4分野への投資、知的財産の重視政策など、政権が交代したとしても、科学技術政策に劇的な変化は生じないようである。先端技術分野における倫理規制の整備について言及している点、共産党とともに「高等教育無償化条項」に触れている点、理科教育強化について触れて いる点は特徴的である。食品安全行政の一体化などは、注目に値する。その一方大学に関して何も語っていない点は残念である。

 また、前回のマニフェストで総合科学技術庁の創設や若手研究者対策を掲げていたが、今回はその点についての記述は見受けられない。

【日本共産党】
 日本共産党の科学技術政策は、与党や民主党と対照的である。すなわち、日本学術会議の意見を尊重するなど、科学コミュニティからのボトムアップで政策を決定すべきであると述べている。現在、総合科学技術会議主体の重点分野政策が続いているが、その中で基礎科学の研究者の声があまり反映されないという声が聞かれる。そういう意味で、注目すべき主張である。また、「高等教育無償化条項」や給費制奨学金 の制定、ポスドク問題や女性研究者問題にも触れている点が注目される。BSE問題に関して全頭検査検査の継続を述べているのも特徴的である。

 一方で、知的財産に関してはほとんど触れていない。また、ポスドク対策として、教員・研究員の増員で対処しようと述べている点は、やや疑問を感じる。

【社民党】
 前回のマニフェストで、一貫した姿勢を我々は評価したが、今回は残念ながら今回は科学技術政策に関してあまり触れられていない。遺伝子組み換え食品への反対を示している点が特徴的である。なお、seironのサイト テーマ別マニフェスト比較(2005年衆院選)科学技術にて社民党は市民科学の振興を重視すると述べているが、選挙公約には書かれていないので、評価の対象外とさせていただく。ご了承いただきたい。

 以上簡単ではあるが、各党の政策をみてみた。いずれも一通り科学技術政策についてそれなりに述べており、その点は評価したい。とくに、奨学金の充実は、各党の一致した政策なのだから、ぜひ早急に実現化してほしいと思う。

 主要政党のなかでは、自民党と共産党の政策が詳細さで群を抜いていた。両党の政策はトップダウンとボトムアップと対照的であり、真っ向からぶつかっている。あくまで科学技術政策だけの話ではあるが、ここまで明確だと、どちらを選択すべきか、有権者の選択の範囲の話となる。

 ただ、両党も含め具体性にかける政策が多く、リップサービスとういう感が否めないのが残念である。

 たとえば、一部政党がBSEや遺伝子組み換え食品に触れてはいたが、ライフやバイオの充実を言うのであるならば、ES細胞の研究など倫理的問題をはらむ論点に関して踏み込んで態度を表明すべきではないか。アメリカの大統領選挙では、ES細胞研究が大統領選の主要な争点のひとつになったことは記憶に新しいが、こうした問題が論争にならないのは残念である。

 とくに民主党は、最大野党にも関わらず、大学に関して何も述べず、若手研究者に関する政策についても記述を控えた。ほかの政策も独自性は少ない。春日が述べているように、科学技術政策を立案できる民間のシンクタンクが質量ともに不足しているのが原因かも知れないが、与党に真っ向から挑んでほしかった。次回以降の奮起を期待したいところである。

 いずれにせよ、郵政民営化等の論点に隠れて、今回の総選挙では(でも?) 科学技術政策が主要論点にはなりえなかった。いつまでも、科学技術政策が触れられているという事実だけを喜んでいてはならない。要は中身である。

 本来ならば、科学技術と社会のあり方に関する各党の政策を紹介したかったが、科学技術コミュニケーションはまだまだそこまで市民権を得られていないということだろう。

 これは何も政党だけに責任があるわけではない。科学コミュニティが社会や政治から背を向け、自らの研究に埋没していたことも原因ではないか。

 科学と社会を考えるということは、研究者が政策や政治を含めた現実社会にまで足を踏み入れ発言するようになるということである。何も政治運動をしろとは言わないが、政策や政治への関心はもう少し持ってもよいのではないか。もちろん市民だって、どんどん科学政策に口出ししてよい。BSEやES細胞の研究は、市民の生活にも大きく関わってくるからだ。

 サイコムジャパンは今後とも、今回の選挙のような機会を捉え、科学技術政策をもっと身近なものにしたいと考えている。


未だ発展途上にあるマニフェスト選挙 春日匠

 前回サイコムジャパンでマニフェスト評価をしてから二年である。
 二年というのは長いようで、非常に短い。
 マニフェスト評価というからには、特に与党に関しては前回のマニフェストの達成度も調べなければ行けないわけだが、二年たった段階ではまだまだ道半ばといった政策が多くても、あまり強くは非難できないだろう(ただ、公明党の「99パーセント実現・実行中」というキャッチフレーズは誠実さを欠くと判断せざるをえない。実現と実行中は数値として明確に区別されるべきである)。
 もちろん、マニフェストを評価する側も、政党の「達成」宣言を鵜呑みにせずに、裏を取る努力が必要だが、残念ながら我がサイコムジャパンはそこまでのことをできる能力を持つに至っていない(大手のメディアがやらないのは単なる怠惰であろう)。

 しかし、今回の「マニフェスト」を見てなにより失望を禁じ得ないのは、受け手(である国民)の読解レベルがあがっていない以上に、「マニフェスト」の「マニフェスト」としての質が上がっていない、いやむしろ低下しているとしか判断できない点にある。
 たしかに、今回の選挙はやや突発的なものであったので、表現が十分にこなれていない点は仕方がないと言えよう。
 しかし、政党というのは本来日夜政策を研究し続けるための機関なのだから、内容がないことに言い訳は聞かないであろう(多少とっつき難いものになっている場合、それを読み解くのはメディアの役割であるはずである)。
 このあたり、握手やテレビコマーシャルにだまされて政策評価をしない有権者にも責任なしとはしないが、せっかくの「マニフェスト選挙」が成長していないのを見るのは残念である。

 今回、明確に達成度を判断できるマニフェストとしては、
 ・研究開発費の公的負担分をGDP費1パーセント程度(つまり他の先進国並み)にする(自民)
 ・技能・技術を教育プログラムとして体系化を行い、大学等の教育機関で100講座を開設(公明)
 ・海外留学を希望する学生への奨学金について、派遣1万人計画等を策定(公明)
 ・「高等教育無償化条項」を批准(民主、共産)
 などが見られる。

 研究開発費の問題を除けば、基本的には高等教育に関する問題に収斂している。
 もちろん、研究の基礎は高等教育なので、これまで劣悪な状態に置かれていた日本の高等教育に対して、政治的な議論が行われるようになったこと自体は好ましい。
 研究開発についても、各党とも、特に多くの市民の生活に直結する分野については、バラ色の夢想や玉虫色の計画ではなく、明確な数値をもった予想図を示してもらいたい。
 たとえば、ITERといった具体的なプロジェクトに言及するのであれば、予測される成果とそのためのコストを明示し、損益分岐点(に相当する基準)を提示すべきであろう。

 奨学金については多くの党がなんらかの拡充策を模索しているようである。
 しかし、特にこのデフレ社会にあって、高額の奨学金を貸与し、就職後に返還させるというモデルはもう有効ではないように思われる(特に研究者の場合、博士号取得までに1000万円を超えてしまうような「借金」計画が現実的であるとは思われない)。
 もし高等教育を一部の金持ちの道楽以上のものにすることを望むのであれば、基本的には「高等教育無償化」が重要であろう。

 そんなわけで、全体に今回の「マニフェスト」は科学技術については「評価に値しない」というのが正直な感想である。
 自民党だけは比較的具体的な課題についての言及がある点は評価できるが、これは実はほとんど「科学技術基本計画」の引き写しであることを考えれば、これは当然であろう。
 逆に言えば、日本には(特に科学技術政策について)対案を提示できるようなシンクタンクが事実上存在せず、存在しない以上霞ヶ関という「唯一絶対の」シンクタンクを直接利用できない野党の政策立案能力は限られざるを得ない。
 これは、単に野党にとってだけでなく、健全な議会制民主制を維持するという観点から見れば、与党を含めた国民全体にとって、大きな課題であるといっていいだろう。

 もちろん、マニフェスト型選挙の後退という意味では、政治論争を明確にするより曖昧化させることに腐心しているように見えるメディアにも問題があるだろう。
 特に、テレビについていえば、一部の政治番組を装ったバラエティ番組ではない、きちんとした議論が展開される番組を提供すべきであろう(ヨーロッパなどの政治討論番組では、多くの場合論者は2〜4人であり、論点をぼかさないためにはそれくらいが適正であろうと思われる)。
 また、マニフェストについても「論点」や「達成度」をきちんと分析する態度が求められるだろう。

 今回は今後のマニフェスト型選挙の発展に期待し、また同時にそのための努力を微力ながら我がサイコムジャパンでも続けていくことを表明することで、マニフェスト評価に代えさせて頂きたい。


ご意見、ご要望はoffice@scicom.jpまでお寄せください。

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